マイペンランちゃん

友近さんとお別れして、調子こいた僕は電話を掛ける。


『ちょっと、ちょっと、久しぶり。今何してるの？？』


『今お店終わって、店でまったりお酒飲んでるよ。』


『今から会える？』


『会えるけど１時間だけ・・・。』


『と、言いますと？？』


『今、日本は休みなんでしょ？』


『エッ？そうなの？』


『ランは知らないの！？お客さんもいっぱいだよ。』


『マジで！？』


『うん。マジで。だからもう少ししたらお客さんの所に行かないと行けないの。』


『そっか。じゃあまた連絡するよ。』


『って、連絡してくれないじゃない！明日は？明日だったらずっと一緒に居られるから。』


『明日じゃ遅いんだよね。今日、今じゃないと意味がないんだよ。』


『・・・・・。』


一人目は不発。


ランさん頑張れ！！！
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『ムーさん、アカンです。てか、日本って連休なんですか？？』


『んなもん知る訳ないやん。』


そりゃそうだ。


で、二人目にチャレンジ。


『・・・・・。』


『ダメっす！繋がらんッス！』



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負けずに３人目にトライ。


『ちょっと、ラン、何してるの！？』


『イヤー、それはこっちの台詞で、逆に何してるの？』


『今ディスコだよ。』


『だよね。こんな大音量は間違いなくディスコだよね。』


『ランもお出でよ。』


ディスコで楽しむとかじゃなく、ただ、ただ抱きたい僕はプチリと電話を切った。



『ちょっと、ムー先輩！ダメっす。アイツ等忙しぶってます。』


『まぁー、忙しんちゃう。』


４人目に電話をしようとしたところで、さっき繋がらなかったガールから着信が来る。


『ムーさん。来ますた。』


『ラン、久しぶり元気だった？？』


『うん。元気だよ。』


『どうしたの？急に電話なんかして来て。』


『どうしたもこうしたもオメーが欲しんだよ。』


『だったら何で今日電話してくるの！？いつも電話出ないくせに！』


『違うよ。出ないんじゃなくて、出れないんだよ。（多分）』


『けど、嬉しいよ。ランが電話して来てくれるの。』


『うんうん。そんな事より今何してるの？』


『今、サメットに来てるよ。』


『てか、オメーそれを早く言えよ！』


『お客さんと一緒に来てるんだよ。』


『そんな事どうでも良いよ。』


『今、日本は休みなんでしょ？お客さんいっぱいだよ。』


『やっぱりそうなんだ。』


『明後日帰るから明後日はランは時間ある。』


『ないよ。今しか無いんだよ。』



プチリと電話を切って、



『ムーさん、全然ダメっす。マジで連休っす。』


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４人目にコールしてみる・・・。


『あー、ラン、久しぶり。どうしたの、オンナ一緒じゃないの？』


『一緒だったら電話しないよ。』


『だよね。オンナ居ないから電話してきたの？』


『そだよ。で、何してるの？』


『何で今日なの？しかもこんな時間に。今、日本は休みなんでしょ。お客さんいっぱいだよ。』


どいつもこいつも・・・。



『やっぱりそうですよね。』


『そうだよ。もう少し早く電話してくれたらこのお客断ったのに。』


『いやいやいやいや、そこまではしてもらわなくて結構です。』


『ラン、明日は？』


『明日は時間ないよ。今じゃないとダメなんだよ。』


『ごめんね。』


『いやいやいやいやいや、ゴメンとかヤメてよ。また連絡するよ。』


『うん。どうせ連絡ないんでしょ。』


４連敗を食らって、気がつくとムーさんの部屋の下まで来ていた。



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『あかーん。ムーさん、マジで自分イケテナイっす。』


『まぁ、しゃあないんちゃう。』


『僕はアイツ等を舐めてました。』


『もう連絡するコは居らんのん？』


『居なくはないんですが・・・やっぱりアイツ等だけは連絡してはダメだと思います。』


『アイツ等って誰なん？』


『スクンビットカラオケガール１＆２です。』


『えんちゃう。してみたら。』


『・・・・・やっぱりヤメときます。』


ムーさんとお別れして、時刻は１時を廻ろうとしていた。


『まだ時間あるっす！』


自分で自分に言い聞かせて僕はガールを求めて出発した。



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では、つづきです。


ケーキを注文して部屋に戻ると、



あれっ？？ここってタイ、バンコクのカラオケですよね？？



って疑うくらいな静けさ。



『何なんですか？』


とは言ってみたものの、盛り上がっていない空気を盛り上げようとする努力は一切せず僕は自分の選んだガールと楽しくオシャベリ。



『ランはタイに住んでるんでしょ？』


『うん。けど、何で分かるの？』


『分かるよ。何か遊びに来た人と住んでる人は見ると分かるよ。』


『そうなんだ。』


『ランはドコに住んでるの？』


『えーーー！めちゃくちゃ近いじゃん！』


と、ここでも御近所ガール登場。


『毎日でも行けるよ。』


『うん。けど、来なくて良いよ。』


『何で？？時々は良いでしょ？』


『うーん。月に一回くらいなら良いよ。』


みたいなどうでもよい話をして、ムーさんのケーキが登場して・・・・・それでも決して盛り上がる事は無く・・・・・盛り上がる事がないと言う事は、書く事もないと言う事になり・・・。



チェックして、ぱたさんにゴチになりました。


ゴチでした。



店を出て、もう一軒行くという選択肢は無く、皆で揃ってナナへ。




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アドレスransan@hotmail.co.jpまで


つづく


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