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泣くオンナ。

僕がまだ日本に住んで居る頃、ナンパで引っ掛かったアリサというエステティシャンが居た。



ナンパの目的は勿論、ヤル事で、彼女を探している訳ではない。



僕はよくナンパやコンパで知り合った女の子を、親友のオックの部屋に持ち帰っていた。




何故かというと、目的はヤル事だったので、ヘタに自分の部屋に連れて帰ると、居座ってなかなか帰ろうとしないのがマジでウザいし、部屋の場所を教えたくなかったからである。



連れ帰ったアリサと、無事に事を終え、『付き合って。』と言う話が出た。




遠回しに僕は断って、アリサをオックの部屋に残して、僕は用事があると言う理由で、トットと自分の部屋に帰った。




それから毎日、家電、携帯に連絡があり、家電に関しては、『帰ったら連絡ください。』という留守電まだ入っていた。




毎日何回も鳴る電話を無視していたけど、掛かって来る回数がハンパ無いので、キチンと言っておこうと思って、電話に出た。



『もしもし、アリサだけど。』(アリサは自分の事をアリサと呼ぶ。)


知ってるがな。



『何!?何か用なの?』


『今何処に居るの!?』


『今、オックの部屋。』



電話はそのまま切られた。



ちょっとイヤな予感がしたけど、僕はオックの部屋には居ないし、何も考えて居なかった。



けど、アリサの電話から30分くらいして、オックから電話が掛かる。



『ちょっと、アリサ来てるけど!』


『ええ!マジで!』


『うん。マジで。とりあえずラン来いよ!』


『いやいやいや。行きたくないよ。何とか帰らせてや。』


『それが無理で電話した。』



ですよね・・・。


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仕方なく僕はオックの部屋に行き、アリサと御対面。



『ラン、何でいつも電話取らないの!?』


『何でって言われても、逆に何で取らないといけないの??』


『用があるから電話してるんじゃない!』


『用ってなんなん?用が無いんなら帰れや!』


『ヒドいよ!』


えっ!?ヒドいですか??


『何がヒドいんじゃ!とにかく帰れや!』



ビックリしたのか、悲しかったのかは分からないけど、アリサはシクシクと泣き始めたかと思うと、そのまま号泣モードに入った。



『何で泣くん?マジで帰ってや!オックにも迷惑掛かるし・・・。』



僕が勝手にオックの部屋使ってるんですけどね・・・。



この一言が駄目押しになったのか、アリサの息づかいが変わって来た。。。



アリサの息づかいは激しくなり、呼吸するのがもの凄く苦しそう。



横でニヤニヤして見ていたオックの表情もこれヤバくねぇ!な表情に変化する。




『ちょっと、ちょっと、オック!これってヤバいよね!?』


『うん。多分ヤバいよこれ!』



ヤバいとは思ったけど、何かこの症状見た事があった。



『オック、これ過呼吸症候群じゃ!』


『えっ!?そうなん!どうしたら良いの?』



オックはかなり心配して動揺している。



けど、僕は対処方法を知っていた。



『オック、ちょっとそこの紙袋貸して。』



紙袋を受け取った僕は、アリサの顔にスッポリ被せた。



『ちょっと、ラン!何しとん!!』


『確か、過呼吸の対処ってこうだったと思う。。。』



対処方法は正しかったみたいで、アリサの呼吸はだんだんと落ち着いて来る。



けど、頭からスッポリ紙袋を被った、ガングロのギャルギャルのアリサを見て、あまりに間抜けで、不謹慎と思いながらも、オックと笑ってしまう・・・。



『オック御免。やっぱり自分帰るッス!』



今思えば、カエルと同じくらい積極的なコで、この頃から僕はちょっとSッ気が出始めたのかもしれない・・・。


アリサからの連絡はこれからしばらくして途絶えた。



アリサは僕に泣くオンナ。というトラウマを残した。



だから今でも僕は泣くオンナ。がもの凄く嫌いで、もの凄く苦手である。




僕が帰った後、アリサを優しく慰めてくれたオックは、仕事の都合で岩手に転勤になり、あまり会う事はなくなった。



今回の津波で被害はあったけど、命もあった。という連絡が来て、涙が溢れかけた・・・。



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では、つづきです。



プイちゃんとの約束場所は、今回もオンヌット。



待っていたプイちゃんの顔に笑顔は無く、かなり悲しそうな表情をしている。



なになに!この重い空気は!!



重い空気を振り切ろうと思い、



『おう。パンティー持って来た?』



冗談で言ってみたけど、プイちゃんの表情は緩む事無く、完全に無視された・・・。



言い損かよ!



あまり口を開かないプイちゃんを連れて、とりあえず御飯を食べに向かう。



殆ど口を利いてもらえないので、仕方なく、前にファービーに連れて来てもらったムーガタの店に。



席に着くと直ぐに、プイちゃんが泣き始める・・・。



あの~。ここセルフサービスなんですけど・・・。



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つづく


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