マイペンランちゃん

朝御飯も終わり、ランさんは散歩。

R君、ムーさんへの報告の義務を忘れない。

昨日は暗過ぎて分からなかったけど、想像以上というか・・・、とにかくはんぱねぇ！！



ウルルン状態！！



エルの話だと、田舎の皆はエルの仕事の事を知らない・・・。

なので、田舎の人からすると、ランさんが養っていると思っているに違いない。

エルの派手な服装。

スーパースターみたいなランさんは多分金持ちと思われている・・・。

田舎の人からすると？タイの人からすると？


日本人＝金持ち



ランさん頑張れ！！！
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なのかもしれない・・・。



エルと散歩していると、至る所でエルは呼び止められる。

田舎だけあってか、近所の人、町の人、みんなが知り合いみたい。

その度に、ランさんは紹介される・・・。



裸足で駆け回る子供達。

水牛を連れて歩く人。

今にも壊れそうな古い自転車を乗り回す子供。

暑い中日陰でハンモックに揺られている人。

仕事している人とかいるのかな・・・。



今では派手な服来て、派手なメイクして着飾っているけど、本来はエルもこの田舎の人たちみたいな感じなんだろうな。

エルだけじゃなく、田舎から出て来たレディー達、バンコクで働く人たちみんな・・・。

ちょっとだけかもしれないけど、エルの事、バンコクで働くレディー達、タイの事が分かった気がした・・・。


ランさん頑張れ！！！
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散歩して家に戻ると、家の人たちも日陰でハンモックに揺られている。

勿論ブスなオカマも。



一段高くなっていて、藁葺きの屋根で造られている、高床式倉庫みたいなのを指差して、

『ラン、ちょっと昼寝しようよ。』

エルは部屋から臭い布団を持って来て、下に敷いて寝転がる。

一段高くなっているせいか、思ったよりも風邪が通り涼しい。

ただ、臭い。

横には水牛の部屋があるから・・・。



いつバンコクに戻るのですか？？



ランさん頑張れ！！！
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帰りたいランさんとは裏腹に、エルは終始嬉しそう。

考えてみると、久しぶりに実家に帰って、久しぶりに大切な家族に会って・・・。

ランさんは『帰りたい。』とか言えなかった。


エルもオバサンも気をつかってか、１時間おきくらいに『腹減ったか？？』と聞いて来る。

本当、エルのオバサン夫婦は僕に良くしてくれる。



と、そこへ一台の自転車に乗った真っ黒なオジサンが登場する。

エルはそれに気がついてオジサンのところに行く。

よく分からないけど、ランさんも言ってみる・・・。

『エル、この人は誰なの？？』

『ラン。この人がお父さん。』

『えっ！？お父さんなの？？』

『うん。お父さんだよ！！』


お父さんの黒い！

はんぱねぇ！！！


お父さんと久しぶりに会ったエルだけど、そんなに話し込む様子はなく・・・。

『え？もう良いの？？』

『うん。』

って感じだった。


高床式倉庫に戻って、しばらくダラダラ。

そこへエルのお父さんがやって来て、エルに金のブッタの御護りのようなものを差し出して来る。

『要らない。』

とエルは一言で断る。

『何で断るの？？折角お父さんがくれるのに。』

『ワタシは信じないから。』

『信じてないの？？』


僕は信じないけど、タイの人って信仰深いし、朝お経聴きに行きましたよね？？


『うん。信じない。だってワタシは自分で働いて、自分でお母さんとお父さんを助けているから・・・。』

超リアルな御意見ですね！

そういうとエルは、お父さんの所に行って、お金を渡していた。


僕はタイの事は殆ど知らない。

興味も余り無い・・・。

女の子達から『家族にお金送っている。』とか、『お金貯めて田舎に帰る。』とかいう話はよく聞く。

正直な事を言うと、女の子達の話は殆どウソだと思っている・・・。

でも、エルの話、エルの行動を見ていると、女の子達の言う話もウソではないのだな・・・。


当たり前だけど、日本との文化や価値観の違いを改めて実感してしまった・・・。

ハンモックオジサンも、エルにお金を集っていた・・・。




にしても、暇・・・。



僕は何時バンコクに戻れるのですか！？



ランさん頑張れ！！！
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つづく


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