マイペンランちゃん

最近あんまり鳴らなくなったランさんの携帯が鳴り響いた・・・。


一瞬戸惑ったけど、エルが出なさいよ！！の視線を送って来るので、電話に出る。


電話の相手はファービー。

ファービーはエルの存在を知っているので、特に問題はない・・・はず・・・。


ランさん頑張れ！！！
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『おう。ファービー！！　どうしたの？？』

『どうしたのじゃねーわ！　ランキトゥン！！　今何処ですか？？』


ちょっと感じの違うファービーにビックリしたけど・・・ここは冷静に・・・。


『今、彼女一緒だよ。』

『今から会う出来ないですか！？』

『だから、今彼女一緒だから会えないよ！！』

『何で！！！　何で会えないの！？　犬顔には会ったのに！！』

『あの時は彼女居なかったし・・・。彼女心配するから会えないよ。』

『じゃあ、彼女電話代わって！！　話すから！！』

『会えないし、電話も代わらない！！』


ファービーの様子も変だし、何話すか分からないし・・・。


エルはいつも僕が携帯で話をしていると、携帯に耳を近づけて、相手が女か男か、何を話しているか確認する。

電話の相手がオンナだと分かったエルは・・・。


『ラン！！日本語で話すのはヤメて！！！』

ファービーは日本語が堪能でいつもファービーとの会話は日本語。

といっても、僕はタイ語はあんまり上手くないし・・・。


仕方なく得意の片言タイ語で会話する。


『ラン！！　何でタイ語話す！？』

『彼女が怒るから・・・。』

『ランの彼女嫌いワ！！』

『何で！？ファービーは会った事ないでしょ！』

『会った事無いけど、見た事ある！！　見るだけ分かる！！ランの彼女良く無い！！』


何か、イライラしてきた・・・。エルの悪口を言われて、ランさんイライラする！！


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『おい！オメーには関係ねぇだろが！！オレはオメーの彼氏の悪口言った事あるか？あの不細工な彼氏の事を！』

『ないけど・・・。ランとワタシは友達でしょ！？』

『友達なら何で彼女の悪口言うんだよ！！』

『友達だから言う！！あの彼女だけはヤメて！！御願いします！！』

『だから何でだよ！！』

『あの顔嫌い！！性格も悪いでしょ！！』

『だから、何でオメーに性格とか分かるんだよ！！！』

『見るだけ分かるワ！！　タイ人は分かる！！』

『分かる訳ねぇーだろ！！』

『じゃあ何で犬顔の写真撮る！？』

『えっ！？』

『何で犬顔の写真勝手に撮る！？』

『えっ！？何が悪いの？？』

『勝手に写真撮るは良く無いでしょ！？犬顔怒るワ！』

『そんな事で怒ってるの？？』

『誰でも怒るワ！！』


大人なランさんは一応考えてみた・・・。勝手に写真撮られて怒るかな・・・、勝手と言っても、犬顔は友達だし・・・。


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よく分からないけど、大人なランさんは一応謝る・・・。


『ゴメン。写真撮ったのが犬顔が嫌だったんなら謝るよ。ゴメン。けど、彼女は悪気は無かったと思うよ。』

『ゴメンじゃねーワ！　ランの彼女おかしい！！』


散々エルの悪口言われて、カチンと来てるけど、大人なランさんは・・・。


『ゴメン。彼女が悪いのは僕が悪いから・・・。ちゃんと彼女にも言っとくから。』

『彼女電話代わって！！』

『だから代わらない。ファービーが怒る意味が分からない！だって写真撮られたのは犬顔だし、ファービーは関係ない！』

『そうけど、ランの彼女は良くない！！ランは友達だから言う。彼女別れて！！』


カチンも限界だし、何か話すのもバカらしくなって来た。

実際ファービーとかどうでも良いし・・・。


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『分かった。じゃあオメーとは一生会わない。オメーより彼女の方が好きだから。』


プチッ、と電話を切った。


電話を切った後もファービーから何度も電話があったけど、もう２度と出る事はなかった。

エルからいっぱい質問攻めがあったけど、ファービーが言った事は話さず・・・。

もし話したら、多分エルもブチギレルから・・・。


『ファービーは友達だったけど、もう２度と会わないから。』

エルも僕の口調の荒さから空気を感じ取ったのか、それ以上は聞いて来なかった。



こうしてファービーとも終わってしまった・・・。



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つづく


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