マイペンランちゃん

何やら大声で叫びながら歩いて来るレディーを思わず二度見してしまったランさん。


そのボーダーのTシャツレディーがランさんに近づいて来る。


ランさんまでの距離３メートル・・・・２メートル・・・・・・そして、１メートル。


ランさんと同時にムーさんも固まっている・・・。




レディー：『こんにちは。ご機嫌いかが？？』

ラン：『・・・・・。』



何も言えず、視線を反らすランさん。

ポカンと口を開けてランさんを見つめるムーさん。

何事かよく分かってないR君。



R君：『誰なん？？　知り合いなん？？』

ラン：『・・・・・。』

ムー：『・・・・・。』


レディーはR君に話しかける。


レディー：『初めまして。アナタはランの友達なの？アナタカッコイイわね。』

R君：『初めまして。』



そのレディーは友達のギャルを紹介して来る。

レディー：『ワタシの友達のギャル子。彼女はスゴく日本語が上手いの。』

ラン：ムー：『・・・・・。』


R君：『だから誰なん？？　知り合いなん？？』

ムー：『・・・・・。』

ラン：『カエルです。』


ランさん頑張れ！！！
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R君：『カエルって？？　あのカエル？』

ラン：『はい。あのカエルです。』



R君はカエルに会うのは初めてで、写真と話でしかカエルの事を知らない。



カエル：『それ美味しい？？』

ランさんのスイカジュースを指差して、落ち着いた様子で話しかけて来る。

カエル：『こっちの方が美味しいよ。』

カエルは自分の持っているジュースをランさんに差し出して来る・・・。




落ち着いた感じのカエルの口調が段々荒々しく成って来る・・・。




カエル：『ラン！　何で連絡ないの？？』

ラン：『・・・・・。』


何も言えねぇ！！


ランさんはカエルとの連絡は完全に経っていて、カエルからの電話もメールも全て無視していた・・・。

なので・・・本当に悪いのはランさん・・・。



カエルはまた叫び始める・・・。



『ここに居るよ！ワタシの彼氏のランが！！』


『おかしいわ！ランが居るハズが無い！！』


ランさん頑張れ！！！
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あまりの声の大きさに、ちょっとビビってしまうランさん。

何事！？と興味津々のマッサージ屋のオバサン。

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ジュース棚の陰でクスクス笑いながらこの事態を観覧するドリンク屋の可愛いレディー。

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カエル：『ねぇ、ギャル子。日本語でDieって何て言うの？』

ギャル子：『シンダ！！』



『シンダ！！　ランはシンダ！！！』


ランさん頑張れ！！！
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ギャル子に聞いた日本語で叫び続けるカエル。


ドリンク屋の可愛いレディーはクスクス笑っている。

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R君も笑ってる・・・。

ランさんとムーさんは笑えない・・・。


ムーさんが重たい口を開く。


ムー：『カエルちゃん。何でここに居るの？』

カエル：『偶然そこの屋台でギャル子と御飯食べてた。』



絶対にあり得ない！

偶然なんてあり得ない。

カエルの家は遠いし、ここまで御飯食べに来る理由が無い。しかも昼間から。



ランさんの考えとしては、多分・・・。

ランさん、もしくはムーさんが何処かでカエルの友達に目撃された。多分ソイカ。

最後にカエルが来たホテルはマッサージ屋の向かいにあるキーホテル。

カエルはランさんがキーホテルに泊まっていると考えて張り込みしていた・・・。



偶然とか必然とか・・・もうそう言う問題ではなくなっていた。


カエルと遭遇してしまった！というこの事態を何とかしなくては・・・。



ランさんとの距離、約１０センチ。

１０センチの距離から、もの凄い大声でランさん向かって叫び続けるカエル・・・。

カエル遭遇から、まだ一言も言葉を発していないランさん。




このままでは殺される！　何とかしなければ！！




ランさんは無言のまま立ち上がり、カエルを一睨みしてから・・・。



屈伸運動を始めた。


ランさん頑張れ！！！
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つづく

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